鹿子原(かねこばら)の虫送り踊り・邑智郡邑南町

鹿子原(かねこばら)の虫送り踊り・邑智郡邑南町


200年近く前から始まったと言われている、邑智郡邑南町矢上の鹿子原集落に残る民間信仰行事です。
五穀豊穣を願う虫送り行事は、昔は全国各地で行われていましたが、農薬が普及するにつれて原型を留めるものは少なくなっています。
その中でも、鹿子原の虫送り踊りは、古形を残す全国でも数少ないものといわれ、昭和42年5月に県指定無形民俗文化財に指定されました。 祭りは、花笠に浴衣、紅たすき姿の若衆が腰に太鼓をつけ乗馬姿のワラ人形を中心に、独特の「虫送り唄」に合わせて踊ります。三穂両神社で奉納したあと町内各地を回り、最後に一行は諏訪神社の境内で踊りを奉納し、虫が付いた短冊と花笠の飾りを境内で焼き払うことで、害虫退散と五穀豊穣を祈り、行事を締めくくります。
祭りのシンボル的存在の乗馬姿のワラ人形は平家の武将、斎藤別当実盛をかたどったもので、実盛は源氏の兵に追われたとき、水田の稲株に足をとられ討ち死にしたことから稲に恨みを抱いた実盛の魂が害虫となって年々稲を食い荒らしていると思い、霊を慰め害虫を町から送り出そうとしたのがこの祭りの由来だといわれています。(邑南町観光協会ホームページ参考)
昔は藁馬を川に流していたそうです。しかし、時代と共に虫送り行事がなくなって行くにつれ下流の地域から苦情が来て、それ以来藁馬を焼いていたとのことでした。素朴だった藁馬は、県指定無形民俗文化財の指定以来現在の立派な藁馬となり、次の年も使用する為焼かないで保存されます。

Comments